ピアニストの内藤優花音です。
先日開催した第17回目ピアノリサイタル「地球へようこそ」について、
作家の泉ウタマロさん
(ウタマロさんのブログ→izumiutamaro’s blog)
よりご感想を頂戴したので、紹介させていただきます。
※ブログへの掲載については泉ウタマロさんご本人の承諾をいただいております
☆☆☆☆☆ご感想はじめ☆☆☆☆☆
昨夜は素晴らしいリサイタルをありがとうございました。
前回のリサイタルよりさらに進化していて
不断の努力の軌跡を感じました。
優花音さんのプログラムの特徴として
1 テーマに沿ったストーリー展開
2 ストーリーに沿ってどのように曲を選んだかの説明
3 作曲家と曲にまつわるシンプル説明
…と言う
一般の人にとってわかりやすい構成が
今回も活きていたと思います。
*
冒頭で演奏されたドビュッシーやフォーレの曲からは
作曲家がどのように自然界と接触し、体感し、曲として成り立ったのか、私も感じることができました。
例えばフォーレのノクターン第2番では、
フォーレがボディで受け取った木漏れ日を
私自身のボディが感じました。
この曲に流れているのは形あるものではなく、光や色彩、風のそよぎといった無形状なエネルギーだと思います。
モネ・ルノアール・マネなど印象派が光と色彩で絵を描いたように、
フォーレは曲を創ったのだと感じました。
*
後半のオリジナル曲からは、
優花音さんの作曲力が1年前より洗練された印象でした。
ところでこの3つの曲
「もうすぐ生まれるよ」
「もうすぐ会えるね」
「光の道を通ってきたよ」
これは歌詞・歌があるはずの曲なのでは?
と感じます。
そしてもし歌をつけるなら、
優花音さんご自身で歌詞を書くべきだと思いました。
そして、
一般的に曲に歌がついたものは
1曲の間に9割方ボイスが入ってきますがそれよりもボイスを減らし、
歌の部分は7割位で、演奏のみを聞かせるところが十分にある、
そんなスタイルが理想かなと勝手に妄想しています。
もし可能ならお願いします。
*
最後にベートーベンですが、
毎回思いますが優花音さんのベートーベン演奏がとても迫力がありダイナミックでボリューミー。
会場規模が演奏を受け止められる容量を超え、狭く感じてしまうので、
前回もお伝えしましたがお客様の人数に関係なく、
大きいホールで演奏していただきたいなと思います。
会場によって演奏を内包できるキャパが違うので。
この意見は一緒に行った友人も同意見でした。
*
ともかく渾身のリサイタルをありがとうございました。
そしてお疲れ様でした。
初めての育児の中でこれほどのリサイタルを構築実績することの大変さ。
やり切った優花音さんに敬意を表します。
ウタマロより
☆☆☆☆☆ご感想おわり☆☆☆☆☆
ウタマロさん、今回も深く鑑賞してくださり、ありがとうございました。
私のリサイタルのスタイルを深く理解してくださり、とても光栄です。
ウタマロさんとのアートな交流をとおし、インスピレーションを得ることが少なくないので、本当に感謝感謝です。
たとえば、今回取り上げたフォーレのノクターン第2番は、ウタマロさんが紹介してくださったのがきっかけ。
その時はテーマを「地球にようこそ」にしようとは確定していなかったと思いますが、選曲の段階になって「この曲、今回のテーマに合う・・・」とピンときたのです。
オリジナル曲
「もうすぐ生まれるよ」
「もうすぐ会えるね」
「光の道を通ってきたよ」
の歌詞も付けてみようと思います。
そのうち自然に書けるような気がします。
ベートーヴェンの演奏についても高い評価を賜りとても光栄です。
今回はテンペストとソナタ第30番という2つのソナタ全楽章をお届けしました。
中期と後期のそれぞれ個性的でメッセージ性の強いソナタでしたが、深く受け止めていただけて嬉しいです。
ホールのキャパについて、今回も悩みましたが、あえて「慣れたホール」での開催とさせていただきました。
ホールを選ぶにあたっては今のところ
1 ピアノの音
2 ホールの響き
3 アクセスの良さ
4 スタッフが1名でまかなえる造りであること
というのを優先しています。
しかしながら、ウタマロさんがご指摘くださっているように、会場の(エネルギー的な意味での)キャパシティもとても重要な要素ですので、そのようなことも視野に入れながら、次回のリサイタルを企画したいと思います。
真摯なご感想、本当にありがとうございます。
今後ともよろしくおねがいします。