先日
フォーレの即興曲第4番という曲を
暗譜でYouTubeにアップした
Twitterの「ぴあおさん」主催の“みんなで弾こう企画“に参加したためで
今回は“即興曲特集“
フォーレは19世紀後半から20世紀初頭にかけて活躍したフランスの作曲家
時代としては古典的調性・・・
長調(例えばドレミファソラシド)
や
短調(例えばドレミ♭ファソラ(♭)シド)
が崩壊し始め
多調や無調の作品が試されていた時代
アール・ヌーヴォー的な優美な装飾を施した曲線を描くようなメロディラインも特徴
そんなフォーレの即興曲第4番は
出だしはちょっと気だるいかなって感じのアンニュイなテイストから始まるんだけど
いつの間にかこんこんと湧きでる清らかな湧水の中で戯れているかのような不思議な曲
今日は「みんなで弾こう企画」に提出した動画の紹介と
楽譜の分析から曲の理解・暗譜に至るまでのツイートをまとめてみた
「へー、こんなふうにやってんだなー」
とゆるーく眺めていただけたら嬉しい
フォーレ作曲 「即興曲第4番」の演奏動画
今回の企画で提出した動画
3声夫々のフレーズの出だしと終わりの作り込みがとても繊細な曲
臨時記号が多く頭がおかしくなりそうになりましたが素晴らしい
一生懸命弾いたので聴いてもらえると素直に嬉しい
楽譜の分析から曲の理解・暗譜に至るまでのツイートまとめ
この曲の練習に関するツイートをまとめてみたんだけど
途中で「即興曲」を「ノクターン」と言い間違えている箇所が多々あるので紛らわしくてすまそ
この曲に取り組むのは初めてで
7月中に一度ゆっくり初見で通したくらいだったかな
8月末にリストの曲をアップしたのでその後この曲に集中した
8/26 暗譜を効率的にやりたかったからまずは曲全体の形式を把握
フォーレのノクターン第4番の中間部のフレーズ把握中🎹中間部も三声(ユニゾンは一つの声部として計上)⭐️和声進行難解😅出だしのテイストはフランクのVnソナタ第3楽章的な響きなんだよね🌿フランスやらベルギーやらの香りよねって感じ🍃各声のフレーズ感をしっかり掴んで響きをデザインしてく💪
— 内藤優花音@自然体のピアニスト (@yukane_naito) 2022年8月26日
8/30 和声分析&コード分析に入った
和声分析とは文字通り「和声的に分析すること」
ぶっちゃけ「このハーモニーは主調の音階の三和音の何番目に当たるのか?」を特定し
ハーモニーの変遷を把握すること
ざっくりいうと終止形を炙り出すだけでもかなり理解が深まる
・・・例えばサブドミナント(Ⅳの和音)からドミナント(Ⅰの和音)に移動するから“アーメン終止“だなとかね
和声的に難解な曲についてはとりあえずコードを特定するとよい。たとえば減三和音(♭5)が入ってたら「開放的なコードに普通は向かうね」、とか。前のコードより5度上とか5度下とか。所々関係性が見えてくると、曲の持ってる方向性がなんとなく感じられてくるので、あとは弾きこんで感性でとらえる。
— 内藤優花音@自然体のピアニスト (@yukane_naito) 2022年8月30日
和声的によくわからないところのはとにかくコードを特定するようにしてる
そうすると和声的に説明つかなくてもなんとなくのニュアンスを把握しやすい
和声分析もコード分析もせずに弾いてみて「こんな感じ」と自分の感性を信じてアプローチするのもOKだと思うが
私の場合は最近はやるようにしている
なぜなら暗譜に繋がるから
8/30
フォーレのノクターン第4番の中間部分析中。ディミニッシュコードが半音階的に上がっていってGディミニッシュの次に5度下のC7♭13に移行する。解決しきらないかんじ。(備忘録です) pic.twitter.com/Z6JQ7CSZlT
— 内藤優花音@自然体のピアニスト (@yukane_naito) 2022年8月30日
分析を黙々と行ってからゆっくり通すようにした
8/31
今日の練習🎹
— 内藤優花音@自然体のピアニスト (@yukane_naito) 2022年8月31日
フォーレのノクターン第4番✨どこに向かっているのかなんとも不思議な感じの響きの中間部について☺️一昨日、昨日コード分析したせいか、通して弾けるようになった💪冒頭と再現部はほぼ同一フレージングなので細かい練習に入れそう🔥スクリャービンの幻想ソナタに本格的に着手せねば❤️🔥
分析と細かな練習をスパイラル方式で進めていく
その時感じたインスピレーション・・・思い浮かんだ映像や情景をツイートなどでメモしておく
9/1
今日の練習🎹
— 内藤優花音@自然体のピアニスト (@yukane_naito) 2022年9月1日
フォーレ ノクターン第4番
冒頭のコード分析、できる範囲で和声分析⭐️細かな練習🌿全体通し🌈
冒頭と再現部は「とにかく伸びやかに上へ上へ」って感じ🌱ツル植物がくるくる回りながら上に伸びる足場を探していく様子が連想される✨
イレギュラなコードの進行があったらそのイレギュラさを思いっきり味わい楽しむ
9/2
フォーレのノクターン第4番のコード分析中❤️🔥A7の次って基本的にはDに解決するんだけど、D♭に移行するところがジワるんだよね😁たまらんわ🙌クセになるわ🤣明日20回目演奏会「ともしび」の動画発売のお知らせします🔥ご試聴動画もご用意したので観てね🌿 pic.twitter.com/V0icCNdgp9
— 内藤優花音@自然体のピアニスト (@yukane_naito) 2022年9月2日
各声部にに分けてフレーズを分析
フレーズの始まりと終わりを明確に把握する
9/4
フォーレ ノクターン第4番🎹
— 内藤優花音@自然体のピアニスト (@yukane_naito) 2022年9月4日
こういう曲ってとにかく声部を細かく分けて声部ごとに練習すると必ず陰影がついてくる。伴奏の和音も。付尾の方向も声部を分ける上でのヒントになる。分ければそれだけ練習に時間がかかるんだけど結局は早道だと思う。 pic.twitter.com/mrFUzXoJem
本格的に暗譜開始
一番覚えにくそうなコーダ部分から着手するのが私の常套手段
テキストとかも最初ばかりやって最後まで到達しないケースはよく聞くじゃん?
それなら最後からやれば最初もやるもんね笑って考え
9/13
フォーレ ノクターン第4番中間部暗譜中🔥一番覚えにくそうな箇所から💪3声なんだけど臨時記号多くて♯も♭もダブルシャープも♭♭もあって泣きそう😭中声部の入りと高声部の入りをしっかり確認せねば💦
— 内藤優花音@自然体のピアニスト (@yukane_naito) 2022年9月13日
今月末の「みんなで完奏しよう企画」向けに頑張る(`・∀・´) pic.twitter.com/q7xEldmBqR
9/14 フランスものに対して感じることをメモ
フォーレ 即興曲第4番ラスト部暗譜🔥縦のラインのハーモニーをしっかり聴きながら音を確認してる🌟フランスものの多くは一音一音を高密度の結晶のように響かせるのが良いと思う💎ワイングラスを指で弾いて(はじいて)チーンと鳴らすかんじ🍷弾く(ひく)と弾く(はじく)って同じ字で書くもんね🔮 pic.twitter.com/c4QSuMUKAk
— 内藤優花音@自然体のピアニスト (@yukane_naito) 2022年9月14日
9/15 なんとなく峠を越えた感覚になる
フォーレ 即興曲第4番中間部暗譜❤️🔥辿々しいが晒しちゃう🔥中間部がもっと安定すれば最低限の峠は超えた感じ。。。暗譜頑張る💪 pic.twitter.com/jbi9Ko7PP4
— 内藤優花音@自然体のピアニスト (@yukane_naito) 2022年9月15日
9/16 音間違えを訂正
フォーレ 即興曲第4番中間部暗譜❤️🔥
— 内藤優花音@自然体のピアニスト (@yukane_naito) 2022年9月16日
昨日より安定してるけど1箇所異名同音のところをタイで弾いちゃってる💦きちんと弾き直さねば・・・😅フォーレ恐るべし。。。頭おかしくなりそうよ。。。頑張るー💪 pic.twitter.com/Yvw3YAf7aa
9/17 暗譜中に子どもが乱入してきたからYouTubeにアップしてみた笑
9/18 暗譜録画
反省点や気づいたことをテロップで入れてみた
これで一通りの暗譜は済んだから定着&磨き上げのフェーズに入った
9/20 暗譜録画
ミスタッチ、疎かになってる強弱記号など基本的な部分をテロップでツッコミ入れてみた
9/21
今日もやったよ💓フォーレ 即興曲第4番🔥中間部の暗譜の一部☺️今日の昼間撮影📹フレーズをさらに大きくとってそれぞれの声部がこぞって歌いあげるように仕上げたいなー✨ pic.twitter.com/0fXPgwzMHY
— 内藤優花音@自然体のピアニスト (@yukane_naito) 2022年9月21日
9/22
朝フォーレの即興曲第4番通してみたけど安定感と音の質量をさらに充実させたくなったものの次の曲もあるので明日録画しちゃうつもりなんだけどもう少し粘ろうか悩み中🌀とりあえず今日は子どもの幼稚園が休みなので少し遠出してくる🤏 pic.twitter.com/dW1bPuJqbL
— 内藤優花音@自然体のピアニスト (@yukane_naito) 2022年9月22日
9/22 基礎練が不十分なためタッチが荒れているのを反省
理由はあれど基礎練疎かにして荒れたタッチ(音の質がスカスカになる)主な原因は手の第3関節の山が低くなってるのが原因🌀井の頭公園で北村西望氏の彫刻観て燃えたぎる熱いものが心の琴線に触れバッハ平均律で荒れたタッチを鋭意修復中🔥 pic.twitter.com/p2MI1FJ5Yu
— 内藤優花音@自然体のピアニスト (@yukane_naito) 2022年9月22日
9/23 弱音はく
昨日のバッハの効果のおかげか音の質量がグッと充実してフォーレの即興曲第4番の仕上げでゆっくり通して「一度録画してみようか」と思ったら息子が音楽室入ってきて「ママ、ピアノ嫌なの、片付けるの、蓋閉めよう」と言ってきてしまいには泣きおとしされたからしばし断念しとる😭
— 内藤優花音@自然体のピアニスト (@yukane_naito) 2022年9月23日
9/23 録画前日
フォーレ即興曲第4番ラスト部練習💪
— 内藤優花音@自然体のピアニスト (@yukane_naito) 2022年9月23日
提出用の動画は明日の午後録画します🔥
仕上げの今日はこんなことを意識して練習しました☺️
ご参考に🌈
🌟PPでゆっくり通し
🌟縦のラインの響きをよく聴きながら通し
🌟メロディのイクタス(重心)を丁寧に意識
🌟自由に伸びやかに暗譜で通し(心ゆくまで) pic.twitter.com/2FC8us7fci
終わりに
今回もものすごく勉強になった
臨時記号が多いのあり大変弾きにくい曲ではあるんだけど
弾き進めるうちに頭が休まっていくのがフォーレの曲の不思議な感じ
ラヴェルもそうなんだけど
フランスの作曲家の作品て「清らかな水」のイメージが根底にある気がする
そのせいか
細胞のひとつひとつに潤いが行き渡るかのような
不思議な心地よさを得られる
来月末はスクリャービンの幻想ソナタをアップする予定なので
お聴きいただけたら嬉しい
もちろん新月満月ピアノも
それじゃまたー